『CHRISTINE FERBER(クリスティーヌ・フェルベール)』。
彼女の名前は知らなくても、赤字に白の水玉のテキスタイルで覆われたコンフィチュールの瓶はどこかで見たことがあるんではないでしょうか。
コンフィチュールの魔術師クリスティーヌ・フェルベールについては知っていましたが、ショコラにおいては完全にノーマークでした。
パティシエのショコラと、ショコラティエのショコラは違うように、コンフィチュールを作る人のショコラが美味しいと思えなかった先入観を完全に覆されました。
今年のサロン・デュ・ショコラの1番の収穫は、この方のショコラがとてつもなく美味しいということを発見できたこと。
パッケージの可愛さにまず惹かれ、食べてみてもう虜になりました。
この人のショコラをすべて食べたい!という衝動に駆られております。
「ショコラ春」があまりにも美味しくて、あわてて伊勢丹に追加で買いに行った『クリスチャン・フェルベール』のショコラ。
残念ながら「ショコラ秋」と「ショコラ冬」は売切れでしたが、唯一残っていた「ショコラ夏」を購入。
春は花がテーマになっていましたが、こちらはカシス、オレンジ、パッションフルーツ、フランボワーズとフルーツがテーマ。
コンフィチュールの魔術師が作るフレッシュフルーツを閉じ込めたコンフィチュールが、チョコレートとのマリアージュをしている奇跡のようなショコラ。
こちらを食べてますますフェルベールさんのファンになりました。アルザスにあるフェルベールさんのショップに行きたい気持ちが強くなりました。
このショコラが日本で購入できないことが残念でたまらない。
ショコラ 夏
①Blanc
Confit de cassis
Ganache grand cru 66%
表面はガラスのようにピカピカで、細い白い線で曲線の模様が描かれている。表面には小さな穴が開いている。
側面はツヤのあるマットな質感で、やや赤みを感じる品のあるブラックチョコレートの正方形。
カシスのすっきりとした酸味を感じる香りとはちみつのような甘い香り。
薄い外側のブラックチョコレートをかじるとパリパリと割れる。中は2層になっていている。上層はブラックチョコレートベースのカシスのガナッシュ、下層にカシスのコンフィチュールになっている。コンフィチュールはフェルベールさんのあのコンフィチュールをそのまま入れているようで、キャラメルよりももっと柔らかく、やや粘りがあるがほぼ液体の状態。1口で食べないとちょっと危険。
でもやはりコンフィチュールの妖精。カシスそのものを感じられる優しい甘さのコンフィチュールの美味しさ。コンフィチュールの柔らかさと液体の消えていく口どけを思うと、チョコレートが取り残された感もあり、チョコレートとのつなぎの役割を果たしていている上層の薄いガナッシュの存在感が少し薄いように感じる。66%ながらブラックチョコレートの存在感はあり、カカオの苦みとカシスの酸味が程よく後味に残り、後を引く。
②orange
Confit d'orange
Ganache grand cru 66%
表面はガラスのようにピカピカ。細い黄色に近いオレンジの曲線で模様が描かれている。
側面はツヤのあるマットな質感。表面、底面、ともにボコボコとした四角になっていて、手作り感を感じさせるブラックチョコレートの正方形。
オレンジの爽やかでフレッシュな香りがする。
やや厚めの外側のブラックチョコレートをかじるとバリッと割れる。中は2層になっている。上層はブラックチョコレートベースのオレンジのガナッシュ。下層はオレンジのコンフィチュール。オレンジのコンフィチュールはやわらかいゼリー状になっていて、やや形を保っている。オレンジピールの粒が存在感もあり、オレンジのそのもの、オレンジの青い部分まで感じさせるフレッシュさもある。やっぱりこの人のコンフィチュールは他のものとどこか違い、本当にフルーツそのものを感じさせ、おいしいなぁと思わせてしまう。今回はガナッシュとコンフィチュールのバランスがよく、どちらも負けていない。ガナッシュも普通のものよりもやわらかめで、口どけがよく、オレンジの爽やかな酸味が、ガナッシュの濃厚でマイルドな甘さと混ざり、お互いをより引き立てあっている。外側のチョコレートが後に残るが、甘さをきりりと占めるブラックチョコレートになっていて、これがまたコンフィチュールを恋しくさせます。
③Jaune
Confit de fruits la passion
Ganache lait
表面はガラスのようにピカピカ。細い黄色の曲線で模様が描かれている。表面にまた小さな穴が開いている。
側面はツヤのあるマットな質感。表面、底面、ともにボコボコとした四角になっていて、手作り感を感じさせるミルクチョコレートの正方形。色はミルクチョコレートにしてはややブラックチョコレート寄りの濃い色かなと思わせる。
パッションフルーツのフレッシュな酸味のある香りが一気に広がるように感じられる。その中にやや甘く優しいミルクチョコレートの香り。
外側のミルクチョコレートは薄くパリパリと割れる。面白いことに表面はミルクチョコレートだけど、側面、底面はその中にブラックチョコレートがもう1枚隠れている!でも薄い!その中は2層になっている。上層はミルクチョコレートベースのパッションフルーツのガナッシュ。下層はゼリー状のパッションフルーツのコンフィチュール。割合はちょうど半々くらい。
パッションフルーツそのものを食べているような酸味とフレッシュ感のあるコンフィチュールに、優しくマイルドなパッションフルーツのガナッシュ。そこに、きりっとそれを引き立たせるブラックチョコレートと、全体に甘さを足しマイルドにまとめるミルクチョコレート。口どけはやや固めで、外側のミルクチョコレートが残ることは若干気になるが、ナッツのような芳ばしさのある後味を残していき、本当に美味しい。
④Rouge
Confit de franboise
Ganache grand cru 66%
表面はガラスのようにピカピカ。細い赤色の曲線で模様が描かれている。やっぱり表面には小さな穴が開いている。
側面はツヤのあるマットな質感。表面、底面、ともにボコボコとした四角になっていて、手作り感を感じさせるブラックチョコレートの正方形。
酸味のあるカカオの香りの中に、甘酸っぱいフランボワーズの香りがする。
外側のブラックチョコレートは薄めでパリパリと割れる。中は2層になっていて、上層は赤みのあるブラックチョコレートベースのフランボワーズのガナッシュ。下層はやわらかいややゼリー状のフランボワーズのコンフィチュール。少し甘みの強いガナッシュをコンフィチュールの甘酸っぱさとブラックチョコレートの苦みと渋みでマイルドに甘くなりすぎないように仕上げてある。やわらかく口どけるガナッシュとコンフィチュールに比べると、外側のブラックチョコレートは固く溶けていくが、そのブラックチョコレートのすっきりとしたカカオの風味が後に残り、後味をすっきりとさせている。
Maison Ferber 18, rue des Trois Epis 68230 Niedermorschwihr 営業時間:火-日
定休日:月
TEL:+ 33 3 89 27 05 69 FAX:+ 33 3 89 27 48 03
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