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ビーン・トゥ・バー(Bean to Bar)

カカオ豆からチョコレートを作ること。また、カカオ豆からチョコレートを作っているショコラトリーのこと。

、Bean(カカオ豆)からBar(タブレット=板チョコレート)まで一貫して製造しているという意味で、2000年代にアメリカで『マスト・ブラザーズ』などを中心に始まったクラフト・チョコレートの流れから生まれた名称。

 

チョコレートはすべてカカオから作られてるが、多くのショコラトリーはクーベルチュールという製菓用にすでにチョコレートになっているものを購入して、チョコレートを作っている。そのため、カカオからチョコレートを作っているショコラトリーやそのチョコレートを、「ビーン・トゥー・バーのチョコレート」と、区別して呼ぶことがある。

 

ビーン・トゥ・バーという考え方の中には、カカオと砂糖のみを原料とし、それ以外のものを入れていないチョコレートのことをいう考え方や、口溶けをよくするためにカカオの一部であるカカオバターの追油すら認めないという考え方もある。

 

このサイト内では、カカオ豆からチョコレートを製造しているところを総称してビーン・トゥ・バーとしている。

 

最近では、ビーン・トゥ・ボンボン(Bean to Bonbon)、ツリー・トゥ・バー(Tree to Bar)、ファーム・トゥ・バー(Farm to Bar)など、ビーン・トゥ・バーよりも広くチョコレート製造にかかわってることを示す言葉も生まれている。

 

カカオ(cacao)

アオイ科の常緑樹。学名の Theobroma(テオブロマ) はギリシャ語で「神 (theos) の食べ物 (broma) 」を意味する。チョコレートやココアの原料として栽培されている。

 

カカオポット

カカオの木になる果実のこと。

 

カカオパルプ

カカオポットの中にある種子を覆う果肉部分のこと。白い果肉は、ライチやマンゴスチンのようなトロピカルフルーツの味わいがする。

 

カカオ豆

カカオの木になる果実の中にある種子のこと。

カカオ豆はチョコレートの主原料で、カカオポットを収穫後、外皮からカカオパルプごと取り出されて一緒に発酵させ、乾燥、ロースト、粉砕、コンチングを経てチョコレートになる。

 

カカオニブ(cacao nibs)

カカオ豆を焙煎後、ハスク=薄皮を取り除いた、胚乳部分を粉砕したもの。

カカオハスク

​カカオ豆の殻の中にある薄皮のこと。カカオティーとしてお茶として飲まれていることもある。

 

カカオリカー

カカオ豆を粉砕後、すり潰して、ペースト状にしたもの。

 

カカオマス

カカオ豆を粉砕後、すり潰し、ペースト状にした後、それを固めたもの。砂糖などが加えられる前の100%カカオの状態。

カカオバター

カカオ豆に含まれている油脂。カカオ豆の中には30~50%ほどのカカオバターが含まれている。カカオバターは常温では固形で、ホワイトチョコレートの原材料となる。

カカオケイク/ココアパウダー

カカオ豆からカカオバターを絞った後のカカオのこと。この中にも20%ほどのカカオバターが残っていることが多い。純ココアは、砂糖を含んでいないココアパウダーのこと。

タブレット/バー

板チョコレートのこと。

ビターチョコレート/ダークチョコレート/ブラックチョコレート

カカオと砂糖のみで作られたチョコレートのこと。砂糖が入らない100%カカオの場合もある。

ミルクチョコレート

カカオと砂糖、それに粉乳等のミルク成分が入ったチョコレートのこと。

1875年、スイス人のダニエル・ピーター(Daniel Peter)が発明した。当時同じ村にネスレ社の創業者であるアンリ・ネスレ(Henri Nestle)が住んでおり、ネスレ社の粉ミルクの発明がミルクチョコレートの発明に貢献したと考えられていたが、彼らが共同で研究したという証拠はなく、ダニエル・ピーターとアンリ・ネスレはそれぞれ別々にミルクから水分を取り除き、粉乳の発明をしたと考える説もある。また、ダニエル・ピーターの妻は、スイスに初めてのチョコレート工場を作り、チョコレートバーを発明したフランソワ・ルイ・カイエ(Francois-Louis Cailler)の娘。

カカオ含有率が51%以上のミルクチョコレートは、ハイカカオミルクチョコレートと呼ばれることもある。

ホワイトチョコレート

カカオバターと粉乳、砂糖で作られたチョコレート。カカオマスが入らないためチョコレート色ではなく白色をしている。

カカオバターは通常脱臭されているため、カカオの香りはせず、ミルクの香りがする。Bean to Barメーカーによっては未脱臭のカカオバターを使用し、カカオの香りを残したホワイトチョコレートも作られている。

カカオ含有率

チョコレートのパッケージに記載されているカカオ〇%というのは、全体の量に対し、カカオの分量のパーセンテージを示している。そのカカオの分量には、カカオマスとカカオバターを合わせた量であり、この記載だけでは配合はわからない。カカオマスが多い場合はパサパサとした口溶けが悪くなり、カカオバターの量が多いと口溶けがよくなる。そのため、カカオ豆に含まれているカカオバターだけで掃く、カカオバターを追油して、口溶けをよくする場合もある。

​Bean to Barの定義の中にはカカオバターの追油を認めない考え方もある。

ボンボン/ボンボンショコラ

一粒タイプのチョコレートのこと。ガナッシュやプラリネ、キャラメルなどをチョコレートでコーティングしたチョコレートのこと。

ウイスキーボンボンと思う方が多いが、中にアルコールが入っているとは限らない。

ボンボン(Bonbon)はフランス語でお菓子。ベルギーではすべてプラリネと呼ばれることが多い。

ガナッシュ

チョコレートに生クリームやバターなどを混ぜ込んで、口溶けをクリーミーにしたものをチョコレートでコーティングしたもの。コーティングしていないものは、生チョコレートと呼ばれることもある。生チョコレートはほとんどが日本のショコラティエで作られていて、海外ではほとんど見かけない。

プラリネ

アーモンドやヘーゼルナッツとチョコレートを混ぜ合わせたもの。

ベルギーでは一粒タイプのチョコレートのことをすべてプラリネと呼ぶ場合もある。

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