アマゾンカカオ
つくんジェット
つくしをオランジェットのようにシロップ漬けにして乾燥させ、カカオニブを纏わせたつくんジェット。
どれだけ手間暇かけたのかは、オランジェットの作り方を知っていればわかるはず。 つくしの形を残しながら、ポリポリとした食感までつくしを固めてある。 砂糖漬けのように砂糖の食感が残らないように丁寧に消しながら、カカオニブは砕いて温め、その中の油脂でつくしに纏わせている。
素朴で朴訥とした滋味深い味わいの中に、ほんのりと甘味があり、カカオの香ばしさとフルーティーさが纏わされている。
つくしは摘んでから1日で質が悪くなるため、帰り道で袴をとる処理をして、戻ってすぐに作業ができるようにしたという気が遠くなるような作業の積み重ねの結果、つくんジェットが出来上がる。
何度か失敗したと言いながらも、思いついてから一春でここまで仕上げてしまえるのはさすがの技術。
チョコレートはつくしの繊細な味わいを消してしまうため纏わせられなかったということだが、カカオニブを纏わせることで、口の中でチョコレートに仕上げてくれる。
しかもカカオニブの中に1か月閉じ込め、つくしにカカオニブの香りを、カカオニブにつくしの香りを纏わせたという。
何とも贅沢に手がかけられ、計算されたお菓子。
季節はもう夏だけど、春の残り香を味わったような、ほっこりとした気分にさせてくれる。
カカオニブの上に乗せたのは、つくしが折れやすいからという理由の他に、土から出てきたものなので、もう一度土の中に埋めたかったからという想いが込められている。
つくしはカカオニブのような赤っぽい土の中から生えてくるらしい。
そのカカオニブの土の中から、もう一度つくしを採取するかのように摘み、いただく。
自然の再体験という、アートが詰まった缶。
つくしのみならず、自然の素材の可能性を最大限に感じさせてくれる。
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