
パリのジャン・シャルル・ロシュ―で修業された播田シェフが作る「HARITA CACAO」。
フレッシュフルーツのタブレットは、ジャン・シャルル・ロシュ―のスペシャリテの1つ。毎週土曜日のみ、数量限定で販売され、その時々の旬のフルーツがタブレットになります。
フレッシュフルーツを使用するため、賞味期限は1日。そのため「儚いタブレット」と名付けられています。
HARITA CACAOのフレッシュフルーツのタブレットは、フレッシュフルーツをチョコレートでコーティングするだけでなく、フレッシュフルーツの下に下にガナッシュガナッシュを敷き、フレッシュフルーツから染み出る水分をガナッシュに吸わせることで、より長時間タブレットから水分がこぼれ出ないように工夫されています。
見た目だけでなく、それによって味わいも昇華され、フレッシュフルーツとガナッシュ、そしてチョコレートの組み合わせは、他ではなかなか味わえない特別なものになっています。
「フレッシュフルーツタブレット(フランボワーズ)」
クーベルチュールチョコレートとフレッシュフルーツのベストなマリアージュを探すだけでも、本当は大変なこと。
でもこれは、フレッシュフルーツをただタブレットの中に閉じ込めただけではない。
割るとふわりとコニャックの香り。ツンとしたアルコールとほんのりとした苦みを含んだ熟成感。
ビターチョコレートは、ミルクのような柔らかな甘味がある。ほんのりとしたベリーのようなさわやかな酸味があり、クリアでフルーティーでありながら、苦味や渋味がほとんどない。滑らかで口どけのよい、柔らかいテクスチャー。
ビターチョコレートのコーティングの中には、フレッシュなフワンボワーズがそのまま丸ごと入っている。その下には、レミー・マルタンのガナッシュ。
ローズの香りをまとったフレッシュなフランボワーズは、優雅な風味とともに果汁があふれ出てくる。フレッシュなフワンボワーズにはこんなにも果汁が含まれているのかと感じられる。
口に入れると、ローズの香りと共に、そこからラム酒のフルーティーな香りがふわりと立ち上がる。フランボワーズの甘酸っぱいフレッシュな果汁が、ラム酒を加えられて、より優雅に変化する。大人のスイーツともいうべき、ローズとフランボワーズとラムのマリアージュ。
ゆっくりと口の中で変化しながら広がり、その後でコニャックの熟成されたアルコール感が、生クリームの柔らかなミルク感に包まれながらふわりと顔を出す。そのアルコール感が、フワンボワーズの甘酸っぱさをきわ立たせつつ、ほんのり苦みを利かせてチョコレートの香ばしさと苦味に気が付かせる。
昨年のシャンパーニュのガナッシュに比べると、アルコール感は強くなり、華やかさの中に深みと複雑さが加わった大人な仕上がり。 進化し続けるフレッシュフルーツのタブレットを今後も期待したくなる。
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