INFINI アンフィニ
ベルガモットショコラ
アールグレイの香りとしても有名なベルガモット。
果皮の油分を香油として使われることが多く、その果肉が食べられることはほとんどない。そのため、よく知られた柑橘でありながら、お菓子に使われることも、コンフィやピールショコラになることもほとんどないが、この魅力的な果実をお菓子にしてくれた先駆者のおひとりともいえるのが、こちらの金井シェフ。
そして今年、念願のベルガモットショコラが発売されました。
ベルガモット独特の苦味を含んだ酸味のある香りに、甘い濃厚なミルクチョコレートの香り。
コーティングに使用されているのは、かなり甘味と濃厚なミルク感のあるミルクチョコレート。
ベルガモットの香気をたっぷりと吸い、シャリシャリとシロップが固まった蜜感がある。
ベルガモットピールは薄く透明感のある黄金色。綿の部分は白く雪のような結晶がある。
サクサクとした食感で、表面はシロップの甘味が強いが、噛むほどに奥からベルガモットの苦味が押し出されてくる。収斂味のある渋味も残っている。
この苦味と渋味をマスキングするために、この濃厚なミルクチョコレートが選ばれたのだろう。
それでも隠しきれてはいないが、柔らかく包み込まれている。
カリっと割れるコーティングが、スムーズに口溶け、ピールの蜜と混ざることで、果実感が生まれている。甘味と混ざることで苦味が柔らかくなるとともに、柑橘のワタらしい食感とその中から果肉のような味わいを纏う。
ベルガモットの香りは強く残っているし、味わいは楽しめるが、そのおいしさは苦味と共に薄まってしまっている部分もある。この魅惑の香りのおいしさを、香りだけでなくベルガモットのおいしい部分をもっと…とつい欲張りに求めてしまう。
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